30代男性_毎日が忙しくて自分の時間が全く取れません。どうしたらゆっくり生きれるのでしょう


低速と高速と


Q
30代男性_毎日が忙しくて自分の時間が全く取れません。
どうしたらゆっくり生きれるのでしょう

ZAKI
飛行機の窓から見える雲海を見下ろす度にいつも思う事があります

時速が感じられない

実際、飛行機は1.000キロ程の速度で飛んでいる筈なのに
その気配が雲の上だと全く感じられない。
しかし、いよいよ着陸となり滑走路が近づいてくると
先程まで止まっていた景色が慌ただしく動き出す。
それはまるで思い切り巻いたゼンマイのネジから手を離した時のオモチャみたいに。

着陸時のドスン音と共に滑走路のコンクリートが物凄い速度で流れていき、
その時ようやく飛行機の速度を感じる。

時に、人生も同じです

若い時は時の流れなど微塵も感じなかったが、
着陸地点に近づくにつれ速度が早く感じ始める。
そう、滑走路に着陸した時の、あの感覚です。

若い経営者の思考速度の速さもそれに似たものがあります。

彼らは日々起こる出来事に
常に高速で思考し対応している。
それは経営者として当然であり、
低速な思考と行動は命取りになる。と、考えているし、僕もそう思っていました。

しかし、本当にそうだろうか

その高速で起こった出来事の本質を見抜けるだろうか。
もしも低速だったらどう見えるだろう。
高速で見えなかったものが手にとるように見えるのではないか?
それは出来事の原因の更に奥底に潜む本質を見抜けるのと同じではないだろうか

と、考えるようになりました。

偉そうに言う僕も高速で駆け抜けてきたわけですが、
いまは敢えて低速で歩こうと心掛けています
つまりこれまで見落としてきた本質を見抜きたいと真剣に思っているからです。

駆けるのではなく
走るのでもない。
足元で語りかけてくる花や
移り変わる季節の余韻に
目を向け
耳を傾けながら
ゆっくり着実に歩いて行きたい

そうする事で若い経営者たちが見抜けなかった出来事や結果の原因と本質を、
きっと正確に伝えてあげられるかも知れない。

高速思考は一点に思考をフォーカスできるが見落としと深さに欠ける。
低速思考は時間はかかるが多視点を捉え納得できる答えを自ら得る事ができる。

低速と高速

その両方を使いこなすためには、やはり「少し止まる」しかないのです