40代男性 一度は夢を諦めたが再チャレンジに挑もうとしているキミへ


キミはK2を見ているか


ある一人の山岳家が永年登頂を夢見て来たK2のベースキャンプに立っていた。

K2(ケイツー)は、中華人民共和国のウイグル自治区との国境に位置する山で標高は8611 m。
エベレストに次ぐ世界第2位の高さである。世界の登山家の誰もが登頂を夢見る険しく危険な山である。

頂きを見上げる彼に、現地ポーターの一人が言った。
「この天候だと登頂は無理だ」

しかし彼はここに立つまでに長い歳月をかけてきたのだった。
「いや、せっかくここまで来たんだから、どうしても登りたい」

するとポーターは少し顔をこわばらせて言った
「ではあなた一人で登ればいい。
私と仲間たちは家族のもとに無事に帰らなければならないのだ」

そう言い終え、仲間のポーター達にテントの片付けを指示した。
彼は悔しさで身体を震わせた。
40歳を越えた彼にとって、体力的にもこの挑戦が最後のチャンスだと思っていた。
ここまで来て諦めることは到底できなかったのだ。
それを見ていたパートナーの一人が、彼の肩を抱き寄せながら言った

「いつかきっとの日は必ず来る。そのいつかがたまたま今日ではなかったと言う事だけだ」

それから二年後、
彼は無事にK2の頂を制した。

それまでの二年間は、再チャレンジを阻む様々な困難との闘いだった。
体力的にも経済的にも困難を極め、幾度も再チャレンジを諦めかけた。

しかし、その度に彼を支えたものは
「いつかきっと」を信じる強い信念と
「その時が訪れるのを待つ」と言う心の在り方だった

彼は決して夢の達成を諦めた訳ではなかった
その夢の達成を確実なものにするために
いつかきっとの日に立つために
彼は二年間と言う時を新たに費やし、
再チャレンジしたのだ

夢を見ている間、夢は夢でしかないが
遠い先の達成を見続けると、人は前に進めなくなる
しかし一歩前なら見れる筈だ
遠い先のための一歩前を
いつかきっとのための今歩き出せる一歩前を踏み出せば、やがてその日は訪れる。

先が見えなくなったら一歩前を見ればいい
その一歩を踏み出せば
必ず「いつかきっと」の場所に立てる

キミはK2を見ているか
その一歩を踏み出せるか